リウマチ用語辞典 ( 検査 )
カテゴリー : 検査
アルブミン検査
血液の中にある、たんぱく質の一種になります。栄養状態をみるのに使います。アルブミンが正常値3.8を大きく下回り3.0を下回るようだと栄養状態が悪く、足に浮腫みがでたり、免疫力が落ちたりと注意が必要です。リウマチの炎症が強いと栄養がリウマチに取られてしまい、アルブミンも低くなります。
関節エコー検査
関節リウマチの診断を大きく進歩させた画期的な検査になります。昔はリウマチが進行し骨が壊れ変形してからようやくレントゲンで写って診断していたのが、エコー検査をすることで骨が壊れる前にリウマチの診断ができるようになりました。
エコー検査を行えば痛みや腫れのある関節の中をその場で見ることが出来き、関節の中に炎症があるかがすぐに分かります。血液検査で分からないような超早期の関節リウマチも見つけることが出来ます。検査には修練が必要であり、日本リウマチ学会認定の「ソノグラファー」とう資格があります。
コメント:現在治療中の方も、CRPが陰性でも手指の関節にリウマチが残っていて変形が進行してしまうことがあります。リウマチの早期診断、さらには治療の経過もしっかり関節エコーでチェックしていきましょうね!
クレアチニン検査
クレアチニンは腎臓の働きで尿に捨てられる体の老廃物です。腎臓が元気だとクレアチンは大量に尿に捨てられるので低くなります。逆に腎臓が疲れてくると老廃物のクレアチニンが尿に捨てられずに体にたまってしまうので数値が高くなります。クレアチニンの数値を見ることで腎臓の働き具合が分かるんですね。 メトトレキサートは腎臓の働きが悪くなると、尿中に排泄されず体の中にいつまでも残って副作用を起こすことがあります。そのため毎月血液検査をしてクレアチニンを確認することが大切です。
抗核抗体検査
自分の体を攻撃してしまう可能性のある免疫物質の量をざっくりみた検査になります。
リウマチ以外の多くの膠原病でこの抗核抗体が高くなります。
基準値は40ですが、膠原病の可能性がでてくるのは160以上になります。40~80程度の少しの上昇はまず問題ありません。
AST・ALT検査
肝臓が疲れると高くなる数値になります。特にメトトレキサートを使用している方はAST・ALTが高くなることがあるので、定期的な検査が必要です。ASTとALTの違いは変動の早さです。ASTはALTよりも動きが早いので、肝臓が疲れるとASTが先に上昇し少し遅れてALTが上昇します。逆に、肝臓の疲れがとれるとASTが先に低下し少し遅れてALTが低下します。ALTが高くても、ASTが前回に比べて下がってきていたら肝臓の疲れは取れてきているので安心といった見方をします。またASTが高くなってきたらメトトレキサートの減量や、フォリアミンの増量などの対策が必要になります。
CRP検査
体の中に起きている炎症の程度を数値で表します。リウマチが悪くなると高くなり、良くなると下がります。数分で結果が出るので、その場でその日のリウマチの状態が分かりとっても役立つ検査です。また風邪や肺炎などの感染症を起こしても高くなります。風邪で大体CRP2~3、肺炎になるとCRP10~20と変わってくるので、ただの風邪なのか肺炎になってしまっているかなど感染症の重症度を見るのにも役立ちます。
ESR検査
体の中に起きている炎症の程度を数値で表します。リウマチが悪くなると高くなり、良くなると下がります。CRPと同じくリウマチの状態が分かりますが、CRPが数分で結果が出るのに比べて、ESRは数時間かかるので、CRPが登場してからはめっきり影が薄くなりました。ただリウマチ性多発筋痛症の場合には、CRPの上昇にくらべてESRが非常に高くなることが多いので、関節リウマチなのかリウマチ性多発筋痛症なのかを見極める時に参考になります。
eGFR検査
クレアチニンと年齢、体重などを加味して腎臓の働き具合を表した数値になります。
特にメトトレキサートは腎臓の働きが悪くなると、尿中に排泄されず体の中にいつまでも残って副作用を起こしてくることがあるので、毎月血液検査をして確認することが大切です。また夏場で汗をかいたり、水分摂取が少なくなると腎臓の数値が下がり悪くなってしまうので、常に水分摂取を心がけましょう。eGFR60以下は腎臓が疲れ始めているのでメトトレキサートは注意して使用、eGFR30以下はメトトレキサートは危険なので使用禁止になります。
KL6検査
リウマチは関節に炎症が起きるだけでなく、肺にも間質性肺炎という特殊な肺炎を起こしてくることがあります。その間質性肺炎があると高くなるのがKL6になります。
間質性肺炎があるとメトトレキサートなど肺に負担のかかるお薬は使いにくくなるので、リウマチの治療を始める前にしっかり検査することが大切です。また治療の途中で間質性肺炎が出てくることもあり、その場合の早期発見にもKL6の定期的な血液検査が役立ちます。
血小板検査
血液の中にある血小板という細胞の量を測定しています。血小板はケガをして出血したときに血を止めてくれる役割をもっています。リウマチには直接は関係ありませんが、リウマチの炎症が強いと血小板は高くなり、リウマチが落ち着いてくると正常範囲になります。また飲み薬の影響で血小板が減ってしまうことが稀にあり、その場合には原因薬剤を中止する必要があるので、症状が無くても定期的な検査をすると安心です。
ヘモグロビン検査
ヘモグロビンという、貧血を表す数値になります。リウマチの炎症が強いと栄養をリウマチに取られてしまうので貧血になります。リウマチが良くなると貧血も回復してきます。ただ基準値の男性13以上、女性11以上は特にご高齢の方にはなかなか厳しい基準値となっています。
MMP3検査
関節の中にある軟骨に炎症が起きると高くなる数値になります。リウマチが悪くなると高くなり、良くなると低くなるのはCRP(炎症反応値)と同じですが、少し視点を変えて現在骨にダメージが起きているかを見ることが出来ます。MMP3をしっかり下げることが将来的な骨の変形などを予防すると言われています。
ただステロイドを使っている方や、腎機能低下がある方はMMP3の結果が高めにでるので、正常値との比較だけでなく前回と比べてどうだったかを見ることも大切です。
Tspot検査
結核菌が以前体に入ったことがあると高くなる数値です。子供の頃などに周りの咳をしてる人などから知らないうちに結核の菌をもらってしまい、それが体の中で悪さをしないで冬眠していることが時折あります。
結核が冬眠しているところに、リウマチのお薬を使うと免疫力が下がることによって稀ではありますが結核菌が目を覚まして本当の結核を発症してしまうことがあります。そのため、リウマチの治療をする前には必ずTspot検査をする必要があります。
リウマチ因子、リウマチ反応検査
リウマチの診断をするときに使う検査になります。昔からある検査で、リウマチの体質があると高くなります。リウマチ反応などともいわれます。正常値は15以下ですが、リウマチでない方でも少し高くなってしまう事があります。数値が高くなるほどリウマチの可能性が高く、低い場合にはリウマチの可能性も低くなります。リウマチ因子が高く、関節の痛みや腫れの症状がある場合にはリウマチを発症した可能性があるので、関節エコー検査で関節を検査しましょう。
CCP抗体検査
リウマチを診断するときに使う検査になります。比較的新しい検査で、リウマチ因子と違って少しでも高ければリウマチの可能性が高くなります。8~9割のリウマチの方で上昇すると言われています。リウマチ因子と違って人間ドックなどではない項目なので、関節の腫れや痛みがあって医療機関を受診した際に検査する項目になります。
喫煙、歯周病があるとCCP抗体高くなってくることが分かっているので、禁煙・歯周病ケアがリウマチの発症予防になります。